「君がいない」TFT ver.

 

SixTONESは個別に収録している音源版と6人で実際にパフォーマンスさせたときの差がいい意味で激しい。音源なら「Ah~」くらいのものがパフォーマンスだと「ァアアアアアァァァ~~」になりライブになると「ァアアア゛ア゛ァァィヤァ」になる。3rdアルバム「声」収録の「人人人」はその骨頂で、PLAYLIST版を聴いてしまうと音源版のクールさが物足りなく感じるときさえある。しかし、今回はそこまでの剥離は無かった。ただとんでもない威力を放ってきた。

ジェシーはファンクに、京本はロックに、田中はヒップホップに、高地はポップに、それぞれが引き合いながら進んでいく。そこに松村のセクシーな低音と森本のグルーヴが加わることで、他のボーイズバンドでは出せない独特のサウンドになる。本当に「六つの音色」を体現している。


CD音源で最初に聞いたときは「愛が重すぎる男」をイメージしたが、ピカタさんのMVにより、固定の関係や性に縛られないんだなと気づかされた。その後TFT版を聞くと、一気に「どうやっても手に入れられない恋しい人を自分だけのものにすることにした女」のイメージに傾いた。どちらかといえば音源より強めの歌い方なのになぜだろう。おそらく一番「入れて」歌っていた京本の眼のせい。

 

アルバム【声】初聴感想

SixTONES3枚目のアルバム「声」2023年1月4日発売。
初聴当時の感想を転載。

Overture

期待はしてました。一世を風靡したボーイズバンドは大抵アカペラ(もしくはアカペラ風)の楽曲をやってアーティストの側面を魅せてくれたものなので、SixTONESもいつか表現力が高まったタイミングでアカペラ系の楽曲をやってみてほしいなと思っていました。まさか3枚目でもう来ると思わないじゃん?
チームソニーSixTONESにかける情熱や信頼を感じる。

Boom-Pow-Wow!

全teamSixTONES待望のブチ上げリード曲。イントロで勝ちが決まっている。FNSでのパフォーマンスの時点で既に完璧で笑った(ノってくれてた相葉さん素敵だったしありがたい) どう考えても現役世代ではストにしか自分のものにできない。
「声」収録曲のなかでも、(去年や数年後ではない)今のSixTONESでのリリースがぴったりだった気がする。

Good Luck!

大男ズの生み出す濃厚パリピエキスをJ-POPで薄めて万人に飲みやすくした結果、天下の紅白トップバッターを許された。SANOさんありがとう。
カウコンとかで代表曲として歌いやすい一曲ができたね!と思ってたらカウコン2022は驚きのマスカラ披露だった。

Outrageous

Good Luck!で薄めたところに激強アルコールをぶち込んできた。もしくは聴く違法薬物。
スト縛りのクラブイベントでこれをかけたら間違いなく全員がトリップする。

ふたり

脳内画面が一気に柔らかくなる。
容易に一花とゆるゆるの恋を思い起こして遠くの空を見つめてしまう。

共鳴

もはや実家並みの安心感。やはりロック曲は京本慎太郎が一歩強い。
しかしどういうつもりでふたりの後に置いたのか。

人人人

我々のみならず多数の音楽好きに元日から衝撃を与えた曲。
クレバーな2人が「おまじないのよう」「おもちゃ箱みたい」と表現したのも納得。
前作以降に6人それぞれが演技や歌の個人仕事で経験してきたことが遺憾なく発揮されていると感じた。
あと佐伯さんのSixTONESに対する解像度が高すぎる。

Risky

初聴時になぜか「京本ぉ!!!」と思った。
20代前半くらいまでのSixTONESが歌うセクシー全開曲は「ウェーイ!」って感じで聞けたけど、いよいよ真顔です。

Chillin' with you

どの時間帯に聴いても似合う。これかけとけばオシャレな奴だと思われる間違いない。90年代R&Bを彷彿とさせて胸にくる。

SUBWAY DREAMS

彼女の親にアルバムを聞かせることになったのかと思うくらいの突然さで爽やかさを入れてきた。曲順的にはどう考えてもここしかない。

PARTY PEOPLE

SixTONESがいたらそこはもう常夏や。

わたし

リリース時はまさかこの後2022年がパーティーの連続になるとは思っていなかった切なさ全開の曲。しかしどうしても脳裏に浮かぶスクランブル交差点の悲劇。

Always

Lifetime→Everlastingから続き、希望の光の明るさがどんどん増していっているどうやっても未来は明るいと確信させてくれる。
出光興産さんありがとうございます今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

Need you

清涼感も感じるエレクトロ。髙地の声質が活かされてる。
ジャスティン最高のトラックをありがとう。

STAMP IT

Risky以上に色気が凄い、気づくと毒が回ってて逃げられない。
初回盤とはいえこれでアルバム終えるの凄くない?私たちの耳に彼らの「声」というキスマークを残して他の奴の歌は聴かせないぞってか、ありがとうございました。
フックの慎太郎最高ですよね異論は認めません。

ユニット曲

OPA!

即決したのも納得。DASH村のお姉様方にMV見せたい。

ラ・ラ・ラ・ラブストーリー

22年舞台を頑張った2人が自覚的に可愛いをやってきた自尊心が強い。

愛という名のベール

これはもう圧倒的KinKi Kids。曲に関わった全員の脳裏にキンキ兄さんがいる。
普通のラブソングっぽいんだけど歪みも感じるのは松村のせいか。カラオケプレイリストに即入れしました。

Cat Call

にゃーじゃなくてMyaoだと知った時の衝撃たるや。
初聴時から猫耳をつけて誘いながらもなびかない京本が浮かんでいる。トラックも超絶いい。音楽としてもアイドルとしてもいいセレクトですよね。

オンガク声ver.

知ってる曲の知らないパート。そこにハモリをぶち込みまくるSony my love。
いつか訪れる解散コンサートの折には絶対にこの曲を歌ってくれ、絶対泣くから。いや来るなよそんな日!

Again

往年のボーイズバンド曲を彷彿とさせる。できれば英訳詞つけてリリックビデオ出してください。
SixTONESをプロデュースされている方々および当人たちがめざしている方向が明らかに好みなので今後も推すぞと再意識させられた。

【THE VIBES】初聴感想


SixTONESの4枚目のアルバム「THE VIBES」
2024年1月10日発売

収録曲の大半が「ガンギマリの目で前を見ている」。
昨今あらゆるものと戦ってるじゃないですか。意識的に敵対しているわけではないのに、嵐に巻き込まれて必死に忍耐するような闘い。そんな時、彼らの曲はずっと「Haters, Come on!」の精神をteamSixTONESに与えてきてくれたわけですが、今回のアルバムはさらに進んで、「は?だから何?俺らは俺らで行こうぜ」のスタンスで一緒の方向を見てくれてる感がある。彼らは私の圧倒的味方。

Alright

これは大人向けGood Luck!だ。
「自分らしければ満点だろ」を歌うGLは良いんだけど大人には眩しすぎることがあるじゃないですか。Alrightは思い描いた未来でないとしてもひたすらに日常を生きる大人たちに向かってSixTONESが優しく微笑みかけてくれる。
色々あって疲れた帰りの電車の中でイヤホンからこれ流れてきたら歌い出しの「黄昏色〜」で泣いちゃうし、最後は肩の荷がちょっと降りて呼吸が楽になる感じ。もしくは辞表を出す決意ができます。

アンセム

こっからと同じアルバムに入れるからには違いを出してくるだろうなと思っていたら想像以上の攻撃性だった。作家が同じGood Luck!と同様、全肯定駆け抜け系。
1曲目のこっからはゴールがはっきり見えなくてもがき苦しむ人への応援歌、アンセムは辛い状況でも目指す方向が分かってる人への讃歌。未公開だったパートは予想外の曲展開で聴くだけで自尊心爆上げ効果がある。冷静にMVを観ると設定が意味分からなくて、あとから来た4人と同じ顔になる(メイキング参照)。

Something from Nothing

なぜグループ名を歌う曲でデスボイス入れよってなったのか。
12月のliSTening Party時はゴリゴリ曲だと思ったけれど、フルで聴くとジャニーズの系譜が強く感じられた。デスボイスでヘドバンしてるのに?クレジット観てもジャニ曲いっぱい作ってるメンツというわけでもないのになぜ。

------
ここまで、こっから→Alrightで聞き手に「口角片方あげて生きていく力」を与えたところで、アンセム終盤あたりから目がキマり始め、ABAREROとSfNを摂取させることで全員が激強闇堕ちアグレッシブ生命体になる。そういうアルバムです。
------

Only Holy

温度差!!!前5曲との温度差が凄くて風邪ひいちゃう!!!セブ◯のクリスマス!冬のパリピという発注でよくぞここまでキラキラの似合う曲を作ってくださいました!
事前にMV頂いていたので耐えられましたが、知らずにアルバムの流れで初聴の方はひっくり返りませんでしたか。

DON-DON-DON

…Only Holyは別人だったのかもしれない。そうじゃないと説明がつかない。
このフックはアイドルのコンサート会場じゃなくてクラブのフロアか、馬鹿みたいなウーハー積んだデカい車で聴くべき。

Bang Bang Bangin'

もうこの6人はどうしようもない。
慎太郎の声がめちゃくちゃ似合う。というかこのアルバムは慎太郎が大活躍している。本人もソニーも彼の声の活かし方を把握した感じ。
ライブでは間違いなくWHIP THAT状態(踊りまくってしまうので円盤で初めてちゃんとパフォを観ることになるの意)になるでしょう。

SPECIAL

Life in Colorの進化版。
ニコニコおひさまの下を歩きながら聞ける曲は実質これだけ!

Seize The Day

イントロでぐっと引き込まれる。転調によって一気に世界が広くなる(おそらく何もなければアポロCM曲だったのでは)。
英語の発音が肩肘張ってなくてとても好き。歌詞がとにかくいい。「Can be anyone you want」を慎太郎に歌わせるの最高だし、その後の樹の高音パートは毎回鳥肌立つ。
ライブで聴きたい曲1位、お願いだからお手振り曲にはしないでほしい。ジェス以外歌詞覚えるの大変そう。

TOP SECRET

深夜のドライブ用PLAYLISTに即イン。聞いていて気持ちいい。この流れは今後もずっとやってほしい。STDからTOP SECRETの並びもすごく好き。

DRAMA

ドラマには出られない()田中樹がこの曲の主人公。これに合わせて踊るセクシーお姉さんと田中が観たい。
と思わせて、どえらい勢いで追い上げてくる残5人。中毒性がある。

House of Cards

ライブ本編の最後を飾るであろう曲。
さんざん高揚させたところで、これも結局「脆く小さな奇跡の一瞬」であると思い知らせてくるの罪深くない?

君がいない

初めて再生した際「iTunesのエラーで曲順ずれちゃってるんかな?」と画面を確認した。カッフィ。
さすが失恋ソングの新帝王SixTONES、切ない思いを歌わせてもこの攻撃性。
CDで初めて聞いて抱いたイメージは、「愛が強すぎて「君」の死をもって永遠のものにしたはずなのに温もりは戻ってこなくて泣いてる男」。
作者のzembnalさんはこの曲でデビュー。自身もシンガーとして作品を発表されるようなのでとても楽しみ。

【追記】1月9日に公開されたMV版を見たところ、ピカタさんのイラストも相まって、男性・女性・関係性関わらず、わざとどの視点でも思い描けるように作ってるんだなと感じた。

ONE SONG

前曲の衝撃が強くて気を抜くと通り過ぎてしまうことがある曲。なので大体2回再生する。
とにかくまっすぐなラブソングで、SixTONESでは数少ないハピエン曲。Outrageousと同じ作詞家さんだとは思えないとも言える。SixTONESからファンへの強い愛だと捉えている。
ライブではジェシーが圧倒的に映えるだろうし、ペンラ綺麗だろうなあ。



ユニット曲

これまでの3枚は割と「みんながこのペアに求めてるのはこういう曲だよね」という視点が多かったと思うんですが、今回はかなりそれぞれのペアのキャラクターがそのまま出ている気がする。

Blue Days

歌い方もまっすぐでとても愛おしい。このMV撮影してるときは髭シーじゃないのマジで感謝。

希望の歌

恥ずかしげもなく青春を歌う。
20代のうちに二人がこの曲に出会ってくれてよかった。

スーパーボーイ

世界中探してもこの曲歌えるのは誰が何と言おうと樹と北斗だけ。ポッポはいます。

 

以上です。
次のアルバムはどうなるかな。
コンセプトアルバムがいいな、60年代くらいからの日本の音楽の歴史を振り返るようなやつ。ストならやれそう。あと外部アーティストとのコラボ曲出してほしいんだよなぁ特に女性シンガーとのデュエットが聴きたい。
取り急ぎアナログ盤を早く出してください。

1年かけて聴き倒していきます。